習い事は子供に決めさせるのか?親が決めるのか?論争は、なかなか絶えませんね。
実際に僕が習い事の先生として現場で伺った入会理由を分析すると
- 子供がやりたいと言った:40%
- 親の意向でやらせた:60%
といった感じで、どっちつかずですね(※あくまで個人での統計)
先生の立場から言うと、子供が楽しく習えれば、どちらでもいいです。
知っていてもらいたいのは、子供のモチベーションが低い場合は、大半が学ぶ前に辞めていくということ。
習い事の先生として1,000人以上の子供を見てきた経験をもとに、習い事で失敗しない選び方や現場での体験談をお伝えしていきます。
- 子供がやりたいというまで待つべき?
- 親が決めるのはダメなの?
- 親のエゴになっていないか不安
習い事は子供に決めさせるべき?選び方のポイント

傾向として年長~小学生低学年を境に、意思決定力が身についてくるので、結論は以下のようになります。
- 幼少期:親が決めてもOK
- 小学生:子供に決めさせる
幼少期では、親が道しるべを作るのはアリだと思います。
子供の特性を理解して選ぶことで、子供に様々な興味を与えることができるからです。。
小学生になれば、様々なことに興味を持ち選択をしていくため、子供の意思を尊重してあげたい!
子供の成長は早いので、興味があることはどんどん上達していきますからね。
ただ、それぞれ注意点があります。
■子供が決める場合
友達に影響されていないか
目標を持たせているかどうか
■親が決める場合
親のやらせたいものになっていないか
周りの影響を受けていないか
それぞれ、深堀していきます。
子供が決める場合
- やりたい理由を聞く
- 目標を決める
子供が習い事を決める際は、自分の意思であるかどうかをしっかり確認することが大切です。
友達がやってるからという理由は要注意。
団体競技であればよいですが、個人競技の場合は目標がないため、すぐに挫折することも。
習い事をやる前に、「目標はどうする?」など、子供に目標を決めさせるとよいでしょう。
親が決める場合
- 子供の特徴を把握して選ぶ
- 将来を期待しすぎない
自分がやらせたいものではなく、子供の特性にあった習い事を選ぶことでお子さんの自信につながってきます。
子供がやりたいと言わないのであれば、選択肢を用意してあげて選ばせるのも良いですね。
また、将来を期待しすぎるのはほどほどにしましょう。
親の期待に応えようとした子供が、頑張りすぎた結果、習い事中に急に大泣きしたことがありました。
子供は親の気持ちを敏感に読み取ります。
のびのびできる環境を作るためにも、子供の成長をサポートする!といった気持ちで、習い事を選んであげるとよいですね。
習い事を子供に決めさせる?親が決める?先生の体験談
先生の立場からすると、習い事を子供に決めさせた方がモチベーションの高かったのは、事実です。
ただ、親が決めた場合でも、上手くいく例もたくさんあります。
習い事を子供に決めさせた場合と親が決めた場合のそれぞれの良い・悪いエピソードを4つお伝えしますので、ご参考ください。
※僕がテニスのインストラクターとして体験した話になります。習い事やお子さんの性格・親のサポートの仕方で異なる部分があることをご了承ください。
子供が決めた!良い例
入会理由:錦織圭に憧れて
小学2年生の男の子で、よく錦織選手のものまねをする子。
特別運動神経が良いわけではなかったですが、いつも楽しそうにボールを追いかける子でした。
結果として、積極的に試合に出て、様々な経験をしています。
いつも「錦織に似てない?」「錦織になるにはどうしたらよいの?」と、本人なりに試行錯誤し、みるみると上達!
親御さんも「子供が楽しければよいの」というスタンスだったこともあり、のびのびとテニスに取り組んでいました。
子供が「やりたい!」といった時に、夢を応援した親のスタンスが、テニスに夢中になった要因だなと感じています。
子供が決めた!悪い例
入会理由:友達がやってるから
小学3年生の女の子で、おとなしめの子でした。
お友達の方がテニスを早く始めていたこともあり、一つ上のレベルにあがってしまいます。
友達がいないため、委縮したようになってしまったその子は、2か月後に辞めました。
友達がいるから!という理由は、ものすごく多い!
友達と入会した子でも、習い事自体が好きになる子もたくさんいます!
しかし、上に書いたような子も一定数いるのが、現実です。
友達と!という理由が決して悪いわけではありません。
ただ、本来の目的である「習い事」から外れてしまうと、何のために来ているのかがわからなくなってしまいます。
「友達がやってるから僕(私)もやりたい!」といった場合は、何のために習い事をやるのかを、しっかり話しておくことが大切ですね。
親が決めた!良い例
入会理由:人見知りを治したくて
小学1年生の女の子で、最初は全く口を開かない子でした。
1か月たったかどうかぐらいの時。あいさつの時「よろしくお願いいます」と声を発したのが、印象的でした。
あいさつをきっかけに、最初はコーチ、徐々に周りの友達とも話せるようになり、楽しく習い事をやれるようになったのです。
子供の特性に合った習い事を選択した良い例ですね。
親御さんに聞いた話では、水泳とテニスとダンスで迷っていたそうです。
人見知りだけど、ボールを打つのがうまいということに気づき、テニスに決めたとのこと。
テニスは個人競技の側面が強いので、自分の成長を感じやすく、自信にもつながってきます。
上手く子供の良いところを生かして誘導してあげたことは、素晴らしい判断だと思います。
親が決めた!悪い例
入会理由:子供をテニスで強くしたい
年中の男の子で、ポカーンとした子でした。
きっと、本人はあまりテニスに関心がなかったんだと思います。
ですが、親御さんの方は「なにちんたらしてるの!」「ほら!しっかり打ちなさい!」と、レッスン中にも関わらずゲキを飛ばしていました。
結局やめることになりましたが、退会理由が「子供にやる気がみられないため」ということでした…
親の意向が強いことで起きたパターンですね。
長いこと先生をしていると「あっ、この子は親に言われて入会してきたんだな」というのが、すぐわかります。
そのくらい、親と子供の温度差があります。子供は「なんでココにいるんだろう」といった雰囲気があり、不憫でしたね。
親の情熱もわからなくもありませんが、少なくとも習い事の主役は子供です。
子供に過度の期待を押し付けてしまうと、反動で、子供は自分の意思を伝えられなくなる可能性も出てきます。
子供の意向を最優先として、道しるべを差し伸べたいですね。
習い事は子供に決めさせるべき?まとめ
子供に習い事を決めさせるかどうかは、以下の点に注意できればケースバイケースだと思います。
- 子供の意思決定は低学年が境目
- 子供に決めさせる場合は目的を持つ
- 親が決める場合は子供の特性を見極める
経済的な理由・家庭環境・お子さんの性格もろもろあると思いますが、習い事の目的は子供が楽しくできることです!
幼少期は自分で決められないので、親が誘導する場合は、可能性を広げるつもりで選んであげると、よいですね。
小学生では、意思決定の重要性や責任感も学んでいきたい!
子供がやりたい!といったことに否定はせず、すぐに投げ出さないよう目標や約束を作ってあげるとよいでしょう。
現場では、様々な理由で入会してきますが、親御さんが陰ながらサポートをしている子は、楽しくやっていますよ。
お子さんの貴重な時間を、最高のものにしてあげてください。
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